日本の神代よりつづく新嘗祭は、天地の神に新穀を奉る儀式。
水、光、風、土。米づくりに欠かせない自然の恩恵を賜るため、人々は古来から、
雨雲をよぶ霊峰、あまねく照らす太陽、いのち生ずる土地に祈りを捧げてきました。
本来は語り合えない自然と人が、米を依代として、精神の奥深くで結ばれる。
この国では、米づくりの行為そのものが、ひとつの神事であるといえます。
神々の座す山は遥かにとおく、さえぎるものなき空はどこまでも碧い。
標高700mを吹きわたる澄んだ風のなかに、粘る土の香がほのかに漂う。
信州・八重原は、本州のほぼ中央、長野県に広がる豊穣の台地。
清らかに癒される風景は、伸びゆく稲にとっても至福の環境であり、
「米の神に愛された土地」の実りは、限られた食通のみが知る貴重な存在です。